skiingsyndrome

フリースキーなブログを更新したりしなかったり

フリースキーとメンタルについて

なんか大げさなタイトルですいません。 良さげなのが他になかったので、こうなっちゃいました。

先日、6年かかってようやくトライをすることができた技がありました。

もしかしたら、1年以内に達成できたかもしれないし、 一生やらなかったかもしれません。

スキーのトリックの解説については世に沢山あるかと思いますが、 メンタル面の変化によってできなかったことが出来るようになったということを書いている記事をあまり目にすることがなかったので、 それならば自分で書いてみようと思いました。

身体能力が並以下の人間でかつ臆病な人間が、 どのような思考の変化でトライできるようになったかを書きたいと思います。

まず、以下を主張したい。

例えばバックフリップをオフトレで習得した人を例にします。

ウォーターで完璧にできたとしても、 雪山で出来るとは限らない、 みたいな話は聞いたことがあると思います。

これをもうすこし詳細な言い回しをしてみると、

  • オフトレ施設(s-air、クエスト、バグジャン)で打つ
  • 雪山や室内スキー場で打つ

上記の2つは、

メンタル的には別ということです。

ウォータージャンプやエアマットで完璧にできている状態は、 失敗しても着地が安全なのでリラックスした状態でリップを抜けることができる、 というだけなのです。

いざ雪山で同じことをやろうとすると、 怖くて逃げてしまったり、 トライできたとしても体がうまく動いてくれなかったり、ハヤガケ(BFだと回りすぎて背落ちや後頭部を打ったりと、、、)になったりします。

オフトレで練習してきたトリックを雪山(室内も含む)で実行するには、 それにトライするための練習が別途必要でした。

6年かかった理由

こんなにも長い時間が必要だった理由は、 自分との闘いに負け続けてきたからでした。

仲間の励ましにより普段できないトリックに挑戦できたこともありましたが、 今回、最終的な意思決定は自分で決めたということで、 ここでは自分との闘い、ということだけにフォーカスさせてください。

そしてここでお断りしておきたいのですが、

  • 無謀なチャレンジ

ということではなく、

  • オフトレ等で既に習得しているトリックがあるが、必要以上に恐れ、体が動いてくれないため、トライできない

そんな症状であることを前提にお話させて頂きます。

以下を改めて書いてみます。

メンタル的な勝者

やりたいトリックがあるとして、 たとえ失敗してもトライすることができれば、それはメンタル的には勝者です。

逆に、逃げて転ばず無難にパークを滑り終えた場合、それはメンタル的な敗者です。

技に失敗しても「メンタル的には勝者」というからには何かを得ていると思います。 それについて説明します。

何事にも共通する話かと思いますが、 難しい事に逃げてばかりいるから、自信を持つことができなくなってしまうのです。

失敗しても挑み続ければ、それなりの自信(トライできたという自信)が持てるようになるはずです。 (ここでは失敗による怪我等は考慮しない前提でお願いします)

先ほどの繰り返しになりますが、 ここでいう自信とは、

トリックを「はじめから終わり」まで遂行する自信ではなく、

トリックを「くりだす」ことができる自信です。

つまり、スタート地点に立つことができる自信です。

その自信がなかったから、 自分はスタートを切ることすらできなかったのです。

能力がなかったわけではないけれど、 自分の意思に反して逃げた、という後ろめたさが自信を失わせ、 そしてやる気を失わせ、 それ故トライすることがなくなり、 ついには能力が本当になくなってしまう。。。 (そして毎年、シーズンオフにまたウォーターで失った技の練習を始める、の繰り返し、、、。)

経験することがなくなるから、 能力が身につかなくなるのは当然のことでした。

思考の変化

ということで、長い間逃げてばかりいた自分は、 3月の末まで自分の無力感に苦しんでいました。

そして、このことを真剣に考えました。 この悪循環をどこかで断ち切らなければならない、と。

この思考にたどり着くのに多くの年月がかかりました。 ですが、やっとトライすることが出来ました。

思考の変化は自分から湧き出たものでした。 そして、実際にやってみたことは、 普段よりも少しリスクを取る、ということの繰り返しでした。

大きな2連キッカーで540+sw540にトライして成功したことがきっかけで、 恐怖に打ち勝ち、思った通りに体が動いてくれるんだ、という自信をわずかながら得ることができ、それが次のBFへ続き、そしてSWBFへと続きました。 これは自分自身、とてもわかり易い好循環でした。

残念ながら4月のはじめ、大きなキッカーでトライした結果左足首を負傷しました。 でもメンタル的にはトライできたという自信を持つことができました。

もちろん怪我は残念だし、もっと上手くやれたはずという後悔もあるけれど、 トライする決断をできた自分のメンタルコントロールに関しては完璧に遂行できた、 と思います。(そして、これこそが自信となる)

無謀なチャレンジではなく、できるはずと思った時は躊躇なくトライできる、 という思考を獲得できました。

自分がやったトリックは難しくもないし、 それができただけでこのような文章を書くのは大変おこがましいのですが、 自分が感じたことを書かせていただきました。